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秋田県教育委員会視察

8月19日(金)、秋田県庁を視察、そして秋田県教育委員会の方に話を伺ってきました。

この前の常任委員会で私は、黒岩知事の掲げる「マグネット」という概念について教育の視点から当局に質問をしました。その一つの側面として、2007年から始まった全国学力学習状況調査の結果を例に出しました。

その全国学力テストにおいて常に1位をキープし続けている秋田県に私は非常に興味があったのです。

実際に話を聞くと、秋田県は昭和30年の全国一律テストでは47都道府県中、40位の成績だったそうです。

しかし、2007年から始まった全国学力学習状況調査においては常に首位を守り続けています。つまり、秋田県は教育改革が成功した良い例であるということです。

成功の秘訣は、質の良い少人数学級の導入だったそうです。今はどこでも少人数学級の重要性がうたわれていますが、秋田県教育委員会の主張としては「ただ少人数学級を導入すれば良いわけではない。これは先生の負担を軽くするのが目的ではなく、生徒の実態に応じたものでなくてはならない。」ということでした。

やはり生徒にもそれぞれ得意不得意な分野があります。それをあぶり出す一例として、4月の全国学力学習状況調査、そして12月の県の独自の調査を実施し、2つの調査を有効活用していることが挙げられます。4月のテストで苦手だった部分を5月から11月に授業で補い、もう一度12月に確認し、1月から3月に授業でさらにまた補い、春に新たなステージ(中学1年、高校1年)に送り出すという独自のサイクルを形成していることに秋田県の教育の特色が見られます。

また、秋田県の生徒の特徴として私が興味を引かれたことは、無回答率が他県の生徒に比べ、極めて低かったことです。これは、生徒一人一人が「難しくてもとりあえず答えてみよう」という意識が高いということを意味しています。なぜ、このように無回答率が低いのかという直接的な理由は解明されていませんが、「よく話し合う」という教育を推進しているからなのではないかと教育委員会はおっしゃっていました。

例えば数学においては答えにたどり着くまでいくつかの解法があります。それを生徒同士でよく話し合うことによって自分なりの答えの出し方を模索することができるといった能力が身につき、とりあえず分からなくても説いてみようという意識に繋がっているのではないかという仮説もおっしゃっていました。

教育は因果関係(何をやったから何が起こったか)を推測するには難しい分野ではありますが、今回の視察で学んだことを神奈川県の教育にも活かしていきたいと思っております。
プロフィール

斉藤たかみ

Author:斉藤たかみ
神奈川県議会議員(川崎市高津区選出)の斉藤たかみです。よろしくお願いいたします。

【最終学歴】
早稲田大学大学院政治学研究科修了

【会派役職】
立憲民主党・民権クラブ議会運営委員会部会長

【所属委員会】
文教常任委員会
社会問題対策特別委員会

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